#3 研修医 〜産婦人科ローテの場合〜 / Medical Intern of Gynecology
#3 研修医 〜産婦人科ローテの場合〜 / Medical Intern of Gynecology のお仕事
ご無沙汰しておりました
今夜も私の友人の仕事を紹介します
今回は二本仕立て。
高校の友人 えいこのお話し
彼女は二児の母である母としての一面と、万病に悩む患者さんと一緒に病気に立ち向かう医者としての一面を持つ、わたしの憧れの女性です。
結婚する前の研修医時代のお仕事についてと、働くママについての二本立てでご紹介します
今回は彼女が研修医だった頃の、とある野戦病院での産婦人科研修のお話
このお仕事の魅力は ”やりがいは半端ない、けど。”
けどの後ろが気になって、教えてもらいました
"日本の新生児死亡率は1000人に1人と、シンガポール、ニュージーランドとならんで世界トップレベルだけど、それは日本の産婦人科医が24時間いつ分娩がくるかもわからない中で働き、朝までずっと寝られるという日はほとんどないような状態で働き続けながら、やっと達成できている。(世界の新生児死亡率の平均は10人。)母子ともに無事に出産をのりきることは当たり前ではない。"
"日本の死因の第一位は本当は悪性新生物(癌)ではなく、人工妊娠中絶。"
この話は知らなかった
興味ある人はえいこが参考文献を教えてくれたのでそこで詳しく参照下さい
※参考
「日本では2015年の早期新生児死亡は出生千対0.7人(0.07%)。世界全体では、早期新生児死亡率の中央値は出生千対10人(1%)で、平均値は出生千対20人(2%)である。(「平成29年我が国の人口動態」厚生労働省政策統括官 統計、情報政策担当)、「World Health Statistics 2015,WHO」より」
"産婦人科は、出産という生命の誕生にも、中絶にも、婦人科癌をはじめとする様々な疾患にも、性病などの相談にも、幅広く対応するとてもやりがいのある仕事。毎日様々な人の命の誕生と、命の終焉と、人生の悩みなどに向き合う素敵な仕事。ただし、地域によっては3時間以上連続して寝られない日が続くし、訴訟も多く、十分な知識と経験だけではなく体力と気力が必要。"
そ、そんなに過酷な環境なの
やばいわ
確かにやりがいあるけど、、、けどだね
知らないことも多い、日本の生と死のバランス
えいこは2ヶ月間ローテで産婦人科を研修したみたい
"1件も分娩がなかった日も2ヶ月のうち何日かはあったし、(ほぼ0だったけど)産婦人科医の数や分娩数は地域や病院によって全く違うので、これはほんの一例ですm(__)m"
地域によってもお医者さんの数や住民の数も違うからね、全部がそうなわけでは無いけれど、少なくともえいこがいた病院の先生たちはこの環境で仕事していると考えると、辞めても仕方ないのかもしれない、とわたしは思います
えいこの研修医時代の1日を教えてもらいました
6:45 起床
7:10 病院到着 ロッカーで着替えて入院患者さんのカルテをチェック 夜間なにがあったかとかお薬の内容などを確認確認...
8:00 指導してもらっている先生と一緒に病棟を回ります 問題点とかアセスメント、プランなどをプレゼンしたりもするよ
9:00 外来
私たちが普段、病院行くと先生に会えるのはここですね
11:30 外来終わり。午後は13:00入室で手術(オペ)があるのでそれまでお昼かと思いきやPHSが鳴り
分娩でーす
病棟へ
12:40 分娩終わり、お昼はおにぎりをくわえてオペ室へ移動
13:00〜 3件オペ
17:30 オペ終了 そのまま病棟へ戻って患者さんの状態を確認するため院内を回ります
カルテ書いて、帰ろうとするとPHS が鳴り救急室から
緊急オペでーす
20:00 オペ終了お昼の残りのお弁当食べて帰ろうとするとPHSが鳴り
分娩でーす
病棟へ
21:30に終わり 医局でシャワー浴びてるとPHSが鳴り
飛び込み分娩でーす
18歳未受診(今まで産婦人科検診などを受けていない)、夫は同級生
他院たらい回されて最終的にうち(病院)に来ます
各種検査してなんとか無事に生まれた頃には24:00… 終。
えいこはこの生活を2ヶ月続けてたけど、辛いとか大変なんて思わなかった様子です
その辺やっぱり尊敬します
人によってなにが大変かは違うと思うけれど、少なくとも労働時間が長く、休憩も取れず、寝る間も惜しんで仕事するのは、体に堪えると思います。わたしは体力も根性も無いから、体を壊すような仕事の仕方は出来ないな、と歳を重ねるごとに思います
ただ、人の生死にとても近いお仕事である産婦人科のお仕事は本当にやりがいは半端ないと思います
次回は働くえいこママバージョンでお伝えします
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